黒水牛とは

高級感溢れる黒が魅力

黒水牛は東南アジア(主にベトナム周辺)に生息する水牛の角で作られる印材です。角というと石のように固いというイメージがありますが、実は牛の角は皮膚の一部でありタンパク質で構成されています。このため石材とは異なり紙に吸い付くような粘り気があり、印影をくっきり出すことができます。印材として優秀な素材といえるでしょう。印鑑以外にも包丁の柄の部分、料理に使用する箸、ボタンなどにも使われており、実は日常的にも馴染みのある素材です。

大場
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黒水牛は捺印のしやすさ、高級感から実印・代表印のような重要印鑑にもよく好んで採用される印材です。

希少価値の高い印材

ツヤのある黒が美しい水牛の角は貴重な材質で、その希少性と高級感から実印や銀行印に人気の印材です。しかしながら一般的に価格の高い角・牙系の印材と比べればお求めやすい価格でもあり、定番の印材として知られています。

適度な柔軟性が持ち味の黒水牛ですが、それは逆に言うと柔らかく欠けてしまいやすいということでもあります。特に外側にあたる部分は乾燥に弱く、保管状況によってはひび割れてしまう可能性があります。

このため、ひび割れにくい、固い中心部分の「芯持」という部分は高級品と言われる黒水牛のなかで特に高い人気と品質を誇る高級品です。さらに角の先にあたる部分を使用したものはより固く非常に良質な印材で、牛の角からほんの少ししか採取できない非常に希少価値の高いものです。

大場
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高品質な黒水牛の印鑑は黒光りする重厚な見た目とその鮮やかな印影で、銀行印や実印といった重要印鑑に適しています。黒水牛を使った印鑑は、就職祝いや成人祝いなどの贈り物としても最適ですよ。

保管法

前述のとおり黒水牛の主成分はタンパク質であり、石材や木材などとは異なり乾燥に弱いという特徴を持っています。乾燥は印面の欠けの原因にもなり、欠けが大きいと特に実印や銀行印の場合は彫り直しをすることになってしまいます。これを防ぐために保管の際はケースに入れ、ときどきオリーブオイルなどを染み込ませた紙などで拭くことで印材をより長持ちさせることができます。

印材の頭部分に線が見えるのですが、これは不良品ですか?

黒水牛の「芯持」を選択した場合は印材に芯の部分を含みます。印材の頭部分にへこみや線のように見える部分があるのは、それであり、むしろ中心部の芯持であることを示すものです。不良品ではありません。