「社会人になった」、「新しく家を建てたい」、「自分の店を開業する」……こういった節目には、実印が必要になるケースがほとんどです。
実印は印鑑の中でも最も信頼性が高いため、重要な契約を結ぶ場面で使われます。言わば、自分の分身のような存在です。
認印やスタンプなどはプレゼントでもらうことがありますが、実印は自分自身を表す大切なアイテム。せっかくなら自分で気に入ったものを見つけたいですよね。
とはいえ、初めて自分の実印を買うとき、どんな印材(はんこの材質)を選んだらいいか分からないという人は多いかもしれません。
そこでこの記事は、初めて実印を買う人にピッタリなお薦めのはんこを紹介します。個人用の実印と、会社設立時の実印のおすすめを掲載しているので、ぜひ最後までご覧ください。
個人が持つお薦めの実印は?
個人用の実印は、「住民登録のある自治体に登録した印鑑」を指します。そのため、チタンや黒水牛など印鑑の材質にかかわらず、登録したものはすべて「実印」となります。
材質の制限は特にありませんが、多くの自治体では「ゴム印など印面が柔軟なもので、押し方によって印影が変わるものは登録できない」としています。
また登録できる印影のサイズは、ほとんどの自治体が「一辺が8㎜以上で25㎜以内の正方形に収まるもの」としています。
個人用の実印を買うときは、このサイズに収まるものを選ぶようにしましょう。
一般的に個人用の実印は、
・木質系
・角&牙系
・金属系
・宝石系
・合成樹脂系
などの材質があります。
その中でもお薦めなのが、【木質系】【金属系】【合成樹脂系】の印材です。
木質系
木質系の印材は、木ならではの独特の木目が特徴。自然の風合いや手触りが良く、男女を問わず人気があります。
印鑑の匠ドットコムでは、
・薩摩本柘(さつまほんつげ)
・黒檀(こくたん)
・彩樺(さいか)
・黒彩樺(くろさいか)
・オノオレカンバ
など、さまざまな木質系印材を扱っています。
木製はんこのスタンダードと言えば、鹿児島県産のつげの木材を使った「薩摩本柘」でしょう。つげ独特の美しい木目が味わえます。一般的なつげ印材よりも繊維の密度が高く頑丈であることも特長です。
「黒檀」は、古くから仏壇や家具などで使用されている高級天然木を印材にしたもの。黒を基調とした落ち着いた色合いの中に、赤褐色の帯のような模様が入っています。
「彩樺」と「黒彩樺」は、天然木の真樺(まかば)と樹脂を高圧加熱処理して強度を高めた印材です。環境保全に配慮して作られたエコはんこです。彩樺は茶系色、黒彩樺はシックな黒で、どちらも木目が映えます。
「斧で切っても斧が折れるくらい硬い」という由来から命名されたのが「オノオレカンバ」。繊維分が緻密で捺印性もよく、 印鑑に適しています。
金属系
金属系とはその名の通り、チタンやアルミなど金属素材を使った印材のことです。硬質なたたずまいは落ち着いた印象を与え、営業などビジネス用途に最適。側面にクリスタルを入れることもできるので、女性にもピッタリです。
印鑑の匠ドットコムでは、次の4種類のチタン印材を扱っています。
・ブラストチタン
・ブラックチタン
・ゴールドチタン
・粒界チタン
「ブラストチタン」は耐久性・耐食性・耐熱性と、印鑑に最適な要素を持ち合わせています。収縮しにくい特性があるので、他の印材に比べて簡単にお手入れができます。
「ブラックチタン」と「ゴールドチタン」は、鏡面仕上げすることで美しい光沢を実現したチタン印材です。色はブラックとゴールドの2色で、どちらも高級感があります。
「粒界チタン」は、小さな結晶同士が重なり合うことで、美しい装飾を作り出した新しいチタン印材。結晶の重なりによって生まれる不規則な模様が特徴です。色はブラック、シルバー、ゴールドの3色です。
合成樹脂系
合成樹脂系はアクリル樹脂やラクトなどを素材にした印材です。近年はラメやクリスタルを樹脂の中に入れたものや、デコパーツを取り付けたものなど、ファッショナブルな合成樹脂印材が多数登場しています。
印鑑の匠ドットコムでは、アクリル樹脂を使った印材として、
・和(なごみ)ざいく
・和(なごみ)ざいくプレミアム
を扱っています。
「和ざいく」は、かわいい和風の柄をあしらった印鑑と印鑑ケースのセットです。年齢を問わず楽しめるデザインが豊富に揃っています。「和ざいくプレミアム」は、着物や千代紙などをモチーフにした鮮やかな和風の柄をあしらった、印鑑と印鑑ケースのセット。高級感があるので、ワンランクのデザインを求める方にお薦めです。
法人用のお薦めの実印を紹介
法人用の実印は、「代表者印」が当てはまります。
代表者印は登記申請や株券発行、正式文書など重要な契約時に使用します。会社を設立する時や代表取締役の変更があった場合に、法務局に届出(登記)する必要があります。登録できるサイズには規定があり、「大きさ10mm以上、30mm以内の正方形に収まるもの」とされています。
法人用の代表者印(実印)の素材の中では【木質系】の印材がお薦めです。
木質系
・柘(つげ)
・薩摩本柘(さつまほんつげ)
・彩樺(さいか)
・黒彩樺(くろさいか)
・屋久杉(やくすぎ)
木目の風合いが特徴の「柘」や「薩摩本柘」は、個人用の実印だけでなく代表者印にもピッタリです。捺印性が高く、くっきりとした印影を残すことができます。
より強度の高いものを求めるなら、「彩樺」や「黒彩樺」がお薦め。黒彩樺はシックな色合いなのでビジネスシーンに似合うでしょう。
「屋久杉」とは、屋久島に生え、樹齢が1000年を超える杉を印材にしたものです。天然の屋久杉は保護の対象となっており伐採はされていませんが、「土埋木(どまいぼく)」と呼ばれる材料は高級材として流通しており、印材としても使用できます。屋久杉ならではの温かい木目の美しさが際立ちます。
他にも法人用の実印では、水牛の黒い角を加工した「黒水牛芯持」などがあります。
はんこは「見た目」や「機能性」で選ぼう
ここまで、初めて実印を買う人にピッタリなお薦めのはんこを紹介しました。
個人用の実印なら、【木質系】【金属系】【合成樹脂系】の印材がお薦めです。法人用の実印なら【木質系】【角&牙系】を選ぶといいでしょう。
「かわいい」「シンプル」などの見た目にこだわってもいいですし、丈夫で長持ちしそうなものを基準に選んでもOKです。ぜひ、お気に入りの1本を見つけてください。
ただし実印を登録する際、サイズの決まりがあります。法人用は「大きさ10mm以上、30mm以内の正方形に収まるもの」で、個人用は各自治体で定められています。実印を作る前に確認しておくと安心です。