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まず「朱肉」という言葉について
印鑑を鮮明に押すためには、しっかりと印面にインクを付けなければなりません。この時に使われるのが朱肉ですが、その実体は色々な成分を混ぜて作られている油性インクなどによって作られています。朱肉を入れるための容器のことを肉池や印池と呼びます。
朱肉は別名として印泥と呼ばれることがありますが、これは昔泥を原料とするものを使っていたことに由来しています。現在では練り朱肉とスポンジタイプの朱肉が主流ですね。
朱肉の種類
印鑑を使うためにはこの朱肉を用意する必要があるわけですが、朱肉にも色々なタイプがあります。手軽で携帯できる安価な商品から、気品のある素材で作られたお高めの高級品まで、選択肢はいろいろあるので迷うところです。
では何を基準に選ぶのかですが、実用面だけ取るならば、現在販売されている朱肉はどれも機能的には良質になってきていて、だいたいの商品は問題なく使用に耐えるものと言ってよいでしょう。重要な書類においてはスタンプ台を利用することが出来ないというイメージを持っている人もいますが、実印に用いられる印鑑の印影の劣化に関して言うならば、朱肉の質はあまり関係なくむいろ印鑑そのものの材質・書体の選択のほうが重要です(ただし後述の通りインクを拭き取るなどの管理は大切です)。朱肉は、印鑑よりは好みと予算にしたがって自由に選択しやすい商品だと言えるでしょう。
朱肉を購入するときには、印鑑を押すためのシートやお手入れのためのブラシなどをセットで購入しておくと便利ですよ。どんなにインクのつけやすい朱肉をえらんでも、固いテーブルの上での捺印では鮮明な印影を実現することは難しいです。これは紙の下に専用のシートを敷くことで解決できるので、きれいな印影にこだわるならば同時に用意したいところですね。
管理について
朱肉を使用して印鑑を捺したあとそのまま何の処理もせずにおくと、印面に注いた朱肉が乾燥して固まってしまいます。こうなるとはっきりした印影で鮮明に印字を読ませることの妨げになってしまいます。
印鑑の表面の朱肉を紙などで綺麗に拭き取っても、印面の溝に入り込んだゴミやほこり等まではなかなか綺麗に掃除できません。印鑑を使用後は朱肉を拭き取り、はんこブラシで印面に詰まったゴミやほこり等を綺麗に取り除いてあげますといつでも綺麗な状態で鮮明な捺印ができます。また、こまめな清掃は印材の保護にもつながります。
ブラシでの手入れを習慣にしておくと使用後も印面を清潔な状態に保つことができ、次回押し印をするときにも気持ちよく鮮明な印影で捺すことができます。
書類の契約をするときなど、印鑑の使用する場面では銀行や店などが朱肉を用意してくれていることがほとんどです。したがって印鑑は外での使用に限れば必ずしも自分で持っていなければならないというものではありません。しかし自宅においてか各種書類・契約書の作成を行うことも少なくはありませんし、そのようなときも気持ちよく捺印を行うためにも朱肉は一つは用意しておきたいものです。