日本の社会において欠かせない印鑑(ハンコ)。そんな大切な印鑑を、もし誤って紛失したら一体どうすればいいのでしょうか?
そこでこの記事は、印鑑を紛失したときに取るべき対処法について詳しく解説します。知識を身につけておけば、もし印鑑を失くした場合も慌てることなく対応できるはずです。ぜひご覧ください!
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実印、銀行印を紛失した時の対処法とは?
そもそも、印鑑にはどんな役割があるかご存知でしょうか。それは「自分の意思を表す担保」です。書類などに印鑑を捺すことで、「この書類に書かれてある契約内容を承認します」と、自分の意思をはっきりと示すことができるわけです。言ってみれば、印鑑とは自分の分身のような存在です。
そうした大切な印鑑だから紛失は絶対に避けたいところ。中でも、気を付けたいのが実印や銀行印です。実印は、重要な契約や会社設立時に必要となる重大な役目を担っています。銀行印は銀行に届出をしているハンコを指し、銀行預金や郵便貯金などに必要です。もし紛失した印鑑が誰かに拾われ悪用されたら……考えただけでも恐ろしいですよね。
そこで印鑑を紛失したときに取るべき対処法について説明します。
実印を紛失した場合
個人の実印を紛失した場合は印鑑登録をしている市町村役場に連絡して、印鑑登録証明書の発行を一時的にストップします。こうすることで印鑑証明書の悪用を未然に防ぐことができます。
その後、もし紛失した印鑑が見つからなかった場合は、印鑑登録廃止の手続きをしましょう。印鑑登録廃止申請書に必要事項を記入して窓口に提出します。この手続きには、廃止する印鑑登録証や本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)が必要です(代理人の場合は依頼者の委任状が必要です)。印鑑登録廃止が完了したら、改めて印鑑登録をおこないます。
自治体によっては、手続きの流れや必要書類などが異なる場合があります。事前に市町村役場に確認しておくと安心です。
会社・法人の実印(代表者印)を紛失した場合は、改印届の手続きが必要です。新しい印鑑と代表者個人の実印及び市町村長発行の印鑑証明書を、最寄りの法務局に提出しましょう。手持ちの印鑑カードは引き続き使用できます(印鑑カードを紛失した場合は再発行が必要)。
銀行印を紛失した場合
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銀行印を紛失した場合は、まず届出をしている金融機関に連絡して、利用停止の手続きをします。その後、紛失した印鑑が見つかったら、店頭の窓口で再開の手続きをおこないます。通帳や見つかった印鑑、本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)を用意しておきましょう。もし印鑑が見つからなかった場合は、再登録が必要となります。
利用停止の手続きは、電話で受け付けてくれる金融機関がほとんどです。印鑑を紛失したら誰かに悪用される前に、早急に電話で手続きを済ませるようにしましょう。
ちなみに印鑑が「盗まれた」「焼失した」という場合も、ここに挙げた手続きをおこなう必要があります。覚えておくと役立ちますよ。
印鑑ケースに入れて、紛失を防ぐ
印鑑は裸のままにしておかず、必ず収納用の印鑑ケースに入れて保管しましょう。ケースに入れておけば、印鑑が転がって紛失するなどのトラブルを防ぐことができます。
また印鑑ケースは湿気や温度変化、埃、虫など、環境の変化や外敵から印鑑を守る役割もあります。
印鑑の素材は、
・黒水牛(牛の角の部分)
・ツゲ(木製)
などが定番ですが、こうした動物系、植物系の天然素材は環境の変化によって反りやひずみ、割れなどを起こすこともあります。印鑑ケース無しで放っておくと寿命を縮めかねないということです。必ずケースに入れて保管しましょう。
最近は印鑑ケースが多様化しています。がま口のような形状をしたタイプやプラスチック成型したタイプ、布や革製の小さな巾着袋、べっ甲を使った高級品などバラエティに富んでいます。
様々な素材や形状のケースがありますが、いずれも性能は同じなので、見た目の好みで選んでOKです。収納する印鑑の格や色に合わせて、印鑑ケースをコーディネートしてみてはいかがでしょうか。
紛失したら、まずは電話で連絡を
ここまで、印鑑を紛失したときに取るべき対処法について解説しました。
実印や銀行印など、登録や届出をしている印鑑は、紛失に気を付けましょう。
もし誤って失くした場合は、まずは自治体や金融機関に連絡して、印鑑としての効力を一時的にストップさせましょう。紛失した印鑑が誰かに拾われて、悪用されないようにすることが先決です。