男性の実印はどう作る?おすすめのサイズなどポイントを解説

個人が持つ「実印」は、大切な場面で使われます。例えば、土地や家の売買、自動車の購入といった契約に必要です。

なぜ、重要な契約に使われるのか。それは「自分の意思を証明する」ものとして、最も信頼性が高いアイテムだからです。

実印とは住民登録のある市区町村に登録した印鑑のことで、登録するとその印鑑の持ち主を示す証明書(印鑑登録証明書)を発行できます。実印と印鑑登録証明書の内容を照合することで、契約時に書類に押した実印が本人のものかどうかが判断できます。重要な契約を交わすとき、実印と印鑑登録証明書の2つがあればしっかり「自分の意志」を証明できるわけです。

印鑑はよく「自分の分身」とたとえられますが、実印はその最たるものと言えますね。

その「自分の分身」である実印を男性が初めて作るとき、どんな実印にすればいいのでしょうか?どういったサイズや材質、書体が実印として適しているのか、知識として持っておきたいところです。

そこでこの記事は、男性用の実印を作るときのポイントについて詳しく紹介します。

実印に適したサイズは?

男性用の実印を作る時のポイントとして、

・サイズ

・材質

・書体

・彫り方

この4点を押さえておくと、あなたにとって最適な実印が何なのか分かります。

それでは順番に見ていきましょう。

サイズ

印鑑の形状はさまざまありますが、長年の慣習として「丸棒」が使われています。丸棒とは頭部が丸みを帯びた真っ直ぐな印鑑で、印面は丸型。日常生活でよく見かける印鑑の形です。個人用の実印もこれに当てはまります。

男性用の実印の場合、サイズは長さが60mmで、印面(名前が彫ってある部分)は直径15〜16.5mmのものが一般的です。小さな13.5mmサイズのものを選んでも構いませんが、認印や銀行印よりも一回り大きいサイズなら、他の印鑑と見分けがつきやすいでしょう。

気を付けたいのが、実印のサイズは各自治体の印鑑条例によって規定されていること。多くの市町村が「一辺の長さが8mmの正方形に収まらず、25mmの正方形からはみ出さないもの」としていて、中には「6mm~25mm」「7mm~25mm」など、小さい印影を登録できる自治体もあります。実印を作る際は、お住まいの自治体に聞いてみると安心です。

材質

材質も各自治体で決められており、ほとんどが「ゴム印など柔軟な印面で、押し方によって印影に相違が生ずるものは登録できない」としています。また摩滅しやすい材質のものや、既製品として販売している同型印(既製の認印やシャチハタなどのスタンプ類)は登録不可としているところが多いです。

 

男性用の実印でおすすめなのが、木質系や金属系の印材を使ったもの。

木質系は木目など自然の風合いや独特の手触りが味わえます。

金属系はチタンやアルミなど金属素材を使った印材です。硬質なたたずまいは落ち着いた印象を与え、ビジネス用途にも最適でしょう。

印鑑の匠ドットコムでは、下記の印材(一例)を扱っています。

・木質系…薩摩本柘(さつまほんつげ)、黒檀(こくたん)、彩樺(さいか)、黒彩樺(くろさいか)、オノオレカンバ

・金属系…ブラストチタン、ブラックチタン、ゴールドチタン、粒界チタン、カーボンチタン

実印は篆書体または印相体でフルネームがおすすめ

書体

印面に彫る書体のタイプは楷書体や古印体など6~7種類あり、それぞれの文字に特徴があります。

実印に用いる書体について特に決まりはありませんが、一般的に「篆書体(てんしょたい)」が使われています。古代中国で生まれた歴史のある書体で、現代の字形とは異なります。「判読が難しいので偽造されにくい」という特性と風格があるため、実印の書体として広く利用されているようです。

他にも、判読しにくい書体として「印相体(いんそうたい)」もあります。篆書体から派生して作られた書体で、大正~昭和初期に日本で誕生したものと言われています。文字が印面の枠に接しており、中心から外に八方に流れるような字形が特徴。開運用の印鑑によく使われています。複雑な字形の篆書体をベースにしているため、他の書体に比べて可読性が低く、偽造や盗難防止に効果的と言われています。

彫り方

印面の彫り方でおすすめなのが「フルネームの縦書きで彫刻する」パターンです。実印として使うとき、戸籍に記載された苗字・名・フルネームのいずれでも登録できますが、実印は重要な契約を結ぶ時に使われる大切な印鑑です。「本人の意思を示すことができ、かつ印面が複雑で偽造されにくい」ものにするなら、「苗字のみ」「名前のみ」よりもできるだけフルネームで作るようにしましょう。

4つのポイントから最適な実印を見つけよう

ここまで、男性用の実印を作るときのポイントについて紹介しました。

まとめると、

【サイズ】…印面サイズが直径15~16.5mm、長さ60mmの印材

【材質】…木質系または金属系の印材

【書体】…篆書体や印相体が一般的

【彫り方】…縦書きで姓名の入ったフルネームで彫刻する

以上の要素を満たした実印を選ぶといいでしょう。

実印を作る時は、【サイズ】【材質】【書体】【彫り方】の4つのポイントから判断すると、迷いにくいです。ぜひ、あなたにピッタリな実印を手に入れてくださいね。